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2008/10/20

一撃必殺!

的球が適度に散っていて、次の球に対しての手球が、フリも距離もちょうどいいものだったら、A級ともなればほぼ取り切れるだろう。もしそんな配置がブレイク後に現れたら、それはいわゆる「できた」配置となる。逆に、ブレイク後に取り出しが難しい場合、どうやって「できた」配置にするかというのが問題になる。セーフティーで守り、入れられる配置が回ってくるまで待つ。もしくは、頑張って入れに挑戦するという選択肢もあるだろう。この頑張って入れるという点についてなのだが、入れるだけなら、上級者も中級者もあまり変わらないような気がする。上級者ほど、入れたあとの手球のポジショニングが素晴らしいのだ。難しい配置をズバっと入れて、しかも「できた」場所に手球を持って行く。それで取り切られると、「完敗」という感じだ。

そう、いかに「できた」場所に手球を持って行けるかというのが、球を取り切る大事な要素になってくる。それが簡単な配置でも、より簡単に「できた」配置に持って行くというのが、実力差なのかもしれない。と、ちょっといろいろと考えさせられてしまうショットを目の前で見てしまった(下図)。先日のクラウドのCビギ戦では、土方Pとのチャレンジマッチという企画も組み込まれていた。そのゲームでのショットだ。ブレイクで4球ポケットし、テーブルに残っている球は5つ。取り出しの2番はサイドポケット前で、それほど難しそうには見えない。きっと僕なら、迷わずに2番をサイドに入れてポジショニングするだろう。奥のコーナーへのスクラッチが怖いので、手球に引きを入れ、直接短クッションを経由して戻す感じだ。が、しばらく考えていた土方Pは、バンクで2番をコーナーポケットに沈めた。手球はストップショット。あとは難なく取り切ったわけだ。まさに「一撃必殺」のようなショットに見えた。

081020

なぜ、2番をサイドに狙わなかったのか考えてみた。いくらバンクのラインに乗っているとはいえ、コーナーバンクよりはサイドに入れるほうが確実ではないか? ただ、2番をサイドに入れた場合、短クッションからの手球の動きが気になるといえば気になる。引きの回転が強いとクッションで手球が戻ってきてしまい(図では下方向に進み)、8番にキスする可能性もなくはないのだ。そして、引きを入れることにより手球の勢いが殺される可能性があるため、距離のコントロールもやや難しくなる。逆を切って短ー長(図で上側)に入れてポジショニングする方法もあるが、入れが不安定になる。また、この配置の取り切りを考えた場合、穴前の5番から8番のポジショニングが重要だろう。8番へは、9番とは反対の長クッション際に手球をコントロールしたい。9番側だと、9番に隠れる可能性があるからだ。するとやはり、5番は反対のコーナー付近から狙ったほうがいいのだ(図の右上側)。と、無理やり不安要素を挙げると、ストップショットで手球を止めることによるポジショニングでの確実さが浮き上がってくる。

ハッキリ言って、この配置で2番をコーナーバンクで入れるなどまったく予想もしていなかっただけに衝撃だった。2番をサイドポケットに入れた場合、先のようにいくつかの不安要素がつきまとうかもしれない。でも、きっと、それでも取り切れるだけの実力が土方Pにはあるだろう。それをあえて2番をコーナーバンクで入れ、取り切るためにベストな場所に手球を止めたということが衝撃なのだ。もっと簡単に取り切るために最適な手段を考えて選ぶ。うまい人が、「もっと確実に」とプレーしているのだから、勝てるわけがない。自分が考えているよりも、きっと、もっともっと簡単に取り切れる方法があるのだろう。いやぁ、まだまだ球は奥が深いなぁ・・・と妙に感心してしまった。


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