球の軌道が見えるビリヤード台
プロジェクターを使ってビリヤード台を撮影し、球の軌道を光で表示するシステムが開発されているようだ(GIGAZINE)。まぁ、ビリヤード台を平面(2次元)として捉えれば、手球を真っ直ぐに撞いたときの球の軌道を導くのは簡単なことで、きっと同様の原理を使っているのだろう。実際にプレーしているムービーがアップされていたので、どんなものか見てみた(下ムービー)。
ムービーを見る限り、撞いている人間がきっちりと真っ直ぐに撞けていない。光のラインに沿って、手球がきちんと転がっていないのだ。きっと、この光通りに球が転がれば、的球も同じようにポケットできるだろう。と、あまりビリヤードのことを知らない人はそう思うのかもしれない。実際、テレビゲームなどのビリヤードもそんな感じで球が動く。完全に物理的な動きに沿っているだけだ。このシステムを見ていてもそう。的球に当たった手球は、直角分離の角度で横に走り、クッションに入ると入射角=反射角で戻ってくる。鏡面反射の原理そのままだ。
ところが、ビリヤードというのはそんなに簡単なものではない。と言ってもおそらく、光のライン通りに手球を真っ直ぐに撞くことができれば、的球をポケットすることは可能だろう。しかし、そこからの手球の動きはまったく光のラインとは異なる動きをすることになる。通常なら、手球に順の回転が加わって、クッションに入った手球は入射角よりも反射角のほうが広くなる。そしてこの角度は、ラシャの摩擦の力や手球の勢いでも変わってきたりと、複雑な要素が絡み合って球の動きを作り出す。そもそも、ビリヤードは球を入れるということよりも、手球の力加減の調節のほうが難しいので、このシステムが出来上がったところで、球を入れ続けるなんてことはできないだろう。
そうそう、ビリヤードの初心者も上級者も、球の厚みの見え方は同じだそうだ。要は、そこに手球をきちんと真っ直ぐに撞けるかどうかという問題らしい。結局、紹介しているシステムの光のラインというのは、みな見えているというわけだ。「このシステムができれば、あとは光に沿って手球を走らせれば、すべての球がポケットできる!」と、思いそうなものだが、実はそれが何よりも難しい。で、光に沿って手球を走らせられるようになっている人は、光のラインなどなくても球を取り切ってしまうだろう。いや、ヒネリなんかも使って、光のラインよりも簡単に取り切るだろう。ビリヤードは、物理のように論理的に見えて、実際はまったく非論理的なものだったりする。そこがきっと面白いのだろう。
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コメント
動画みました。 光のラインは今までにない試みですね またあのキューが機械的で衝撃を受けました。
投稿: hoso | 2008/12/15 08:57
こういう研究がノーベル賞とか取ったら、ビリヤードはすごいことになりそうですが・・・ないですね。きっと。
投稿: アライ | 2008/12/15 12:49